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喰あたり

「喰い」好きによる妄想ブログ。18歳未満は閲覧禁止。 「はじめに」必読!

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SS『哲也の夏』 最終話

やっとこさ最終話にこぎつけました(´∀`)
オレのモチベーション維持力と更新速度的に長々とやるのはあんまよくないですねw
しばらくは短編も短編でいきましょうw

で、最終話なんですが、最初に言っときます。

アホほど超がつく超展開ですw
えええええそんなオチ?!って感じかもしれませんし、読めてたよ(´∀`)って感じかもしれませんが、広ーい心で生暖かく見てもらえれば幸いですw

最終話待っててくださった方がどれだけいらっしゃるかわかりませんが、これで一応『哲也の夏』は完結ということで!
では続きからどうぞー


初めてあいつを喰ったあの日
俺の心は快感で支配された

あいつを喰い続けたこの夏
俺の心には恐怖が生まれた

それでも俺は喰い続けた

自分の中で何かが壊れていくことなんて、きっとどうでもよかった







『哲也の夏』 最終話







<8月31日>

月明かりが冷たく照らす空き地でオレと純也は対峙していた。
深呼吸して荒れていた心を少し落ち着け、オレはゆっくりと口を開いた。

「悪いな純也。こんな時間に呼び出して。」
「いや、いいさ。俺もお前と話をつけなきゃなーと思ってたから。」
「なんだよ。お前もオレに用事あったのかよ。」
「ああ。俺のはあとがいいんで先に用件をどうぞ。」
「・・・いや、オレのが後だ。」
「・・・」
「・・・」

お互いに譲らず時間だけがすぎていった。
痺れを切らしたオレはカバンからナイフを出して純也につきつけた。

「・・・!」
「悪いな純也、お前にはここでオレに喰われてもらう。」

ここまでしたら、本当にもう後には戻れないな・・・。

「そうか。」

驚くほどに純也は冷静に答えた。

「・・・!
 どうしてそんなに落ち着いていられるんだ?!このままじゃ殺されるんだぞ?オレに!!」
「そうだな。」
「じゃあなんで!・・・もしかしてお前知っているのか?」
「ん?」
「この夏の間、オレはずっとお前を喰ってたんだ・・・。」

頭がおかしいと思われてもしかたがない言葉を搾り出す。
どっちみちナイフを突きつけている時点で同じなのだろうが。

「知ってるよ、哲也。」
「・・・!」

「知っている。」
それが何を示すのだろうか。
純也は知っていた。
何を?
オレが純也を喰っていたことを?
どうして??

「アレはお前の力なんかじゃないよ。」
「え・・・」
「お前に特別な力なんてない。力を使っていたのは俺のほうだ。」

純也の口から発せられる言葉の意味を理解するのにはかなりの時間を要した。
今までのことがすべて純也の力?
オレに力はなかった??
じゃあどうして純也は―――

「オレに喰われていたんだ・・・?」

「それも違う。よく思い出せよ、哲也。覚えているはずだ、本当は。」

純也がその言葉を言い終わった瞬間、俺の体は縮小化を始めた。
目の前の純也がぐんぐん大きくなっていく。

この光景は前にも見た。
一度や二度じゃない
何度も、何度も



深いガラスの底で   は、混乱した様子でガラスの壁を叩いていた。
  から見える光景はきっと、多分まるで歪んだ世界に一人囚われてしまったようなものだとオモウ。
コップノウエカラノゾクトシンジラレナイトイッタヒョウジョウガワカル。
それに興奮した   はコップのヘリや   の近くを何度も舐めたり、口にコップをあてがって傾けたりした。

自分よりも大きなオカズが   の口の中に入っていく光景を  はどんな気持ちでみていたんだろう。

時折舌を頬の内側から押し付けて   にその存在を誇示した。
巨大な   の頬に押し付けられ、中にある地獄の存在を感じさせられる。

喰われていたのは純也じゃない。





    ―――どうして思うとおりにいかないのだろう?―――





アレは―――オレ?

喰われているのは―――オレ?



その瞬間記憶がフラッシュバックする。
恐怖と快感

「うわあああああああああああああああ?!?!?!」

恐怖によって封じられていた頭の中の記憶が一気に逆流する。





ふと気が付くとオレの体は純也の口の前へと持ち上げられていた。

「中途半端にお前に記憶を押し付けたのは間違いだった。」

目の前の巨大な口が開き、大音量の言葉が発せられる。
開閉する唇の向こうには赤く濡れた舌が顔を覗かせ、それが何度も上下する。

「記憶・・・?」
「ああ、俺は人間を縮める力を与えられて生み出された。
 そしてその相手を喰い、取り込むことでそいつと一体化し、
 相手と自分の記憶をある程度操作できる。
 入れ替えたり、一方的に押し付けたり、奪ったりな。
 基本的に相手に残って困るのは全部俺が受け取る。
 その後で喰った奴を再構成して外に放り出せるのさ。」
「そんな力がこの世にあるっていうのかよ。」
「今更別におかしい話じゃないだろ?お前は何度も体感してるじゃないか。」
「う・・・。」
「こんなこといきなり言ってもアレだろうけど、俺は未来から来た暗殺用の生体兵器さ。」
「未来・・・?兵器・・・?お前、何を言って。」
「まあ当然の反応だよな。俺は未来で創られたワンオフの実験体。
 未来で邪魔になるやつを今の時代で消すのが俺の役目さ。
 便利な能力だぜ? ターゲットの周りの奴を喰い、記憶を覗いてまた元に戻す。
 そうして周りから固めていき、確実にターゲットを喰い殺す。」
「ターゲット、まさか・・・俺が?」
「ぶっ(笑)
 自意識過剰。お前そんな重要人物にならないって(笑)」
「お前・・・」
「初任務だったんだ。ターゲットは別の奴、その前にお前で情報収拾しようと思った。」
「・・・」
「それだけのはずだったのに、どうしてこんなことになっちまったんだろうな。」
「純也・・・」
「悪いな、哲也。」
「あ・・・」
「もうこれで終わりにするから。」

純也の声はひどく悲しいものに聞こえた。

ぶんっ、と放り投げられる感覚
一瞬で、しかしゆっくりと回転する風景
やがてネチャッという水音と共にオレは柔らかい舌の床に落ちた。
体に触れる舌の感覚にぞわりと鳥肌が立つ。
それと同時に再び爆発した恐怖が暴れだす。

「いやだ、死にたくない・・・!助けて!!」

暴れる俺を舌で押さえ、何度も何度も純也は味わう。
それこそ、体の隅々まで。

「ふっ・・・うあっ・・・」

だんだんともうどうでもよくなってくる。
オレは知ってる。このまま飲み込まれて終わりだということを。
純也はすでに動けなくなったオレをあっさりと喉の奥へと押しやった。

そういえばお前って結構淡白なのな。
案外あっけなく飲み込んでくれちゃってさ・・・。
最後までコレかよ。
はは・・・ま、いいか。

全身を濡れた肉に何度も締め付けられながら、純也がオレを飲み込むのを躊躇っているのだと気付いた。
最初はあんなにスムーズにあっさりとオレを飲み込んでいた純也。
その勢いは日に日に鈍くなっていった。
そして今も。

何度目かの締め付けの後、ごくり、という音が今まで以上に大きく響いた。





オレは覚えている

舌に触れる感触を

喉を過ぎる熱く切ない気持ちを

そしてこの体に刻み付けられた快感を

心の中で暴れまわる激情を





気が付くとオレは暑く狭い空間にいた。
ドクンドクンという鼓動の音と、空間全体が蠢く水っぽい音が響き渡る。
立ち上がるのも困難なほど柔らかい足元にはねばりけのある液体がゆっくりと流れていた。
唾液と胃液が混ざったもの。
さらにそれが天井から何本もの柱となって滴り落ちてくる。
ここは純也の腹の中だ。

壁に手をつくとそこはぐにゃりとへこみ、俺の手を飲み込んでいく。

オレはここで何度も死んだのだ。
絶望に打ちひしがれながら、この気を狂わせて暴れまわって、
己の運命と純也を呪いながら力尽きていった。
そして今も―――

「いやだ・・・。」

自らの中に落ちてきた獲物を察知したのか、胃袋はその活動を開始する。
壁は狭まり、天井から落ちてくる液体もその量を増していく。
肉と液体に体がどんどんと包まれ、オレを貪るべく蠕動を始める。

「いやだ・・・、助けて・・・!」

いくら暴れまわろうが意味はない。
恐怖に麻痺した感覚の中で少しずつオレの体は純也の一部となっていく。

純也とひとつになっていく。

「助け・・・」













「よう、転校生。」
「えっ?!」

ひとり休んでいた屋上で俺に話しかけてくる奴がいる。
ってオレ?!

「オレは哲也って言うんだ、お前と同じクラスな。顔くらい見覚えあんだろ。」
「え・・・あ・・・」
「まー、転校してすぐはやりにくいだろうと思ってさ、俺が仲良くしてやろうってことさ。」
「は・・・はぁ。」
「喜べ。」
「ええええ?!?!」

これは純也の記憶だ。
初めて屋上でオレと話をしたときの。
純也の記憶が、オレの頭に流れ込んでくる。

あたりまえの高校生と、未来からきた暗殺兵器

境遇は大きく違えど結局はどちらも幼いただの人間さ。
そんな2人が当たり前のようにここで言葉を交わした。
そして、
そんな俺たちが仲良くなるのにそう時間はかからなかった。
そしてそれ以上を望む心が自分の中で膨らんでいくのをとめることはできなかった。


斉藤マモル
こいつが俺のターゲット。
未来でコイツは俺を創った奴らにとって非常に都合の悪い人物であるらしい。
コイツを過去で抹殺する。
それが俺の使命だ。

情報を手に入れるため、そう心に言い聞かせて俺は初めて人を、哲也を喰った。
快感だった。
友を自らの口内に収め、味わい、飲み込んで吸収する。
取り込んで確かめた記憶。
俺に対する思いが偽りでなくてひどく安心した。
このときに自分の心の異変に気付くべきだったのかもしれない。

「哲也・・・」

俺は哲也を好きになってしまっていたのだ。

今日もまた哲也を屋上に呼び出して、
もう何度こうして哲也を味わったろう。
ただ一方的に、強制的に、
俺は哲也を手に入れた。
それでも満足していた。
こんな力をくれた創造主に感謝していた。
たとえこんな形であっても、俺は哲也を手に入れることができたのだから―――

だが、そのうちだんだんと満足できなくなっていった。
哲也は何も覚えていない。
俺だけの一人相撲の歯がゆさに、俺はついにやってはいけないことをしてしまった。

記憶の一部を哲也に押し付けた
喰う快感を、そして喰った記憶の一部、そして哲也自信の断末魔、その恐怖を。
哲也の反応が見てみたかった。
そして、きっと俺に気付いてほしかった。

それは結果として哲也の記憶を錯誤させてしまうことになった。
哲也の中では、俺に喰われる光景は恐怖のために封印されてしまったらしい。
人間の脳はそうして自分を守るのだろう。
そして、喰う快感は哲也が俺を喰っているという記憶となってすり替わった。
すぐに記憶を奪おうと思った。
でも、アイツは俺を求めだしたんだ。
記憶を頼りに、俺の名前を呼びながら、俺を味わいながら何度も・・・。
そうして求められることが嬉しかった。
そしてどんどん俺は記憶を哲也と共有していった。

だが8月8日―――
哲也から屋上に誘われ俺は意気揚々と昼食を楽しむことにした。
そこに斉藤マモルがやってきた。
本人と直接接触するのはなるべく避けたかった。
情が移ると思っていた。
でも違った。始末することで哲也との日々を終わらせることが恐かった。
だが、俺は所詮管理された身、暗殺は必ず成し遂げられなければならない。
それをただ先延ばしにしていただけだった。
それを再確認させられ、俺の心は沈んだ。

この後はゲーセンにいった。
新作のゲームでしょぼいミスをして哲也に怒られた。
ゲームの設定が微妙に自分のこととかぶってたから・・・
クラスの友人として紛れ込んでいた人でない生物に銃を向ける哲也を見て悲しかった。


そのうち、だんだんと哲也の中で俺への思いが大きくなっていくことに恐怖した。
快感を求める欲望と、それだけでない何かがどんどんと強くなっていくことが恐かった。
俺は、だんだんと、哲也を喰うことをためらうようになっていった。
共有する記憶も少なくしていった。
それは哲也だけでなく自分をさらに狂わせただけだったけど―――。



お前は苦しんでいたんだな。
オレを喰う中でいつの間にか暗殺者としての現実を忘れたんだ。
喰うこと以外に何かを奪う方法を、何かを手に入れる方法を俺は知らなかったから。
そうして自分とオレをごまかし続けていくうちに、
少しずつ少しずつ俺の心は壊れていった。





壊れていった。













今なら、わかる。
オレは愛されていた。




純也に

愛されていた。




胃袋の動きはどんどんとその激しさを増していく。
取り込んだものの記憶を受け継ぐというのなら、今のこのオレの絶望も何度もその身に受けてきたのだ。
そんな純也を思うと、悲しくなった。

オレはすべてを知った。
だからこそオレはここで―――

なくなっていく体。
そんな中で柔らかな純也の胃に身を任せ、俺は自分のものを何度も何度も扱いた。

「純也・・・聞こえるか・・・感じるか純也・・・!」

大きな声で叫ぶ、この声は純也に届いているだろうか?
いや、届いていなくてもかまわない。
この記憶と思いはきっと純也に届くから。

「オレはここにいる!ここにいるんだ・・・!お前のことが好きだ。
 快感だけじゃない。この気持ちだって本当だった―――!」

そう―――

「本当だったはずだ・・・!」

悲しみとそれだけではない感情でもう出ない声を搾り出す。
涙が止まらない。

「純也」

純也の中で暴れまわる。
最後の力を振り絞って、
それはあきらかに今までとは違う自分で

「純也ああああああああああああああああ―――!!」

果てた青年はそのまま壁に飲み込まれ見えなくなった。





純也

今更こんな形で向き合ったって遅いかもしれないけど
きっともうそんなことは問題じゃない

だって―――













<9月3日>

―――DARKニュースです。
生徒行方不明事件の続報です。
現在行方不明である田橋哲也君(17)に続きもうひとり生徒が行方不明となっている事実が確認されました。
生徒の名前は斉藤マモル君(17)で、彼も田橋君と同じ○×高校の生徒です。
この2つの行方不明事件には関連性があるとみて警察がさらなる調査を―――



テレビが自分の名前を告げる。
平和な世界から見ているだけだったテレビから自分の名前が発せられたとき、
自分はなにかの物語の中の存在になったような錯覚と恐怖を覚えた。

名前を呼ばれた人物、斉藤マモルはそのテレビの前にいた。
裸に剥かれたその体は巨大な手のひらによってしっかりと握り締められている。
マモルの恐怖に歪んだ目線の先では逆光に影を落とした青年が、
同じくその巨大な口から濡れた舌をだし、音を立てて舌なめずりをした。





「お前にも教えてやるよ、オレに喰われる悦びってやつを―――」









コメント

読ませていただきましたー

喰われる心境 感触 そしてお互いの複雑な だけど純粋な思い
いろんなものが混じりあっていて良かったです
喰われ の恐怖感がよく描かれていて ゾクゾクしますね

ラストのマモルからの視点も なんとも言えない・・・
こういうシーン大好きっす^^

  • 2008/11/24(月) 23:45:22 |
  • URL |
  • アトラス #xEbBP1EA
  • [ 編集]

■アトラスさん
あああ感想ありがとうございますー!
『0』のときといいみっちり書くとなんだかめっさこっぱずかしいですw
濃口にしろ薄口にしろやっぱ喰われ視点や描写はハァハァできないとアレですからねー(*´Д`*)
しばらくは、さっと書けてさっと抜けるような(え
SSやらコラムやらでいきたいと思いますw

  • 2008/11/25(火) 21:19:22 |
  • URL |
  • だあく #0YsUbSHI
  • [ 編集]

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